やっぱりタイヤはゴツいが正義! ノーマルのJB64Wジムニーでも履ける国産MTタイヤ5選

タイヤ

ロードノイズが大きい? 減りが早い? 乗り味が硬い? そんなことは分かってるんです。でも、これぞブロックタイヤというべきゴツゴツ感、たくましさ、迫力こそがマッドテレーン(MT)タイヤの魅力。SUVブームで装着ユーザーが増えたこともあり、各メーカー、オンロードでの用途も考慮して改良を重ねています。銘柄にもよりますが、10年くらい前のMTタイヤよりも、今のMTタイヤの方が格段に快適になっています。

それにジムニーはラダーフレーム車。足まわりが組まれているフレームとボディは別体構造ということもあり、一般的なモノコックフレーム車に比べると、タイヤからの音や振動は車内には伝わりにくい傾向です。感じ方に個人差はあるものの、きっとうるさいだろうな〜と思って履いてみると、意外と気にならなかったというケースもあります。

ということで、MTタイヤ装着に興味がある、または購入を検討しているJB64Wジムニーユーザーにおすすめの国産銘柄5つをご紹介。今回は「基本的にノーマル車高でも装着でき、インナーの干渉やフェンダーからはみ出す可能性も低い」安心サイズに絞らせていただきました。もちろんノーマル車高だけでなく、ちょいアゲ〜2インチアップくらいまでのジムニーにおすすめのサイズになっています。


※各タイヤの評価は当サイトの独断と偏見によるものですまた当記事ではMTタイヤ本来の用途であるオフロードでの性能でなく、主にオンロードでの使い勝手や見た目について解説しています

①正面も横もゴツい。この見た目でオンも快適な「ジオランダーM/T G003」

YOKOHAMA GEOLANDAR M/T G003
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1996年に誕生して以来、数々の4WDファンに愛されてきた老舗ブランド。「オフロードタイヤならジオランダーを選んでおけば間違いない」といわれるほど、ショップからもユーザーからも厚い信頼を得ています。

この「ジオランダーM/T G003」はマッド、ダート性能に特化したヘビーデューティモデル。さらに過激な「ジオランダーX-MT」というモデルも存在しますが、そちらは外径が一番小さなモデルでも6.50R16(外径767ミリ)であり、ノーマルのジムニーで履かせると間違いなくインナーに干渉しちゃいます。ということで、ノーマルのジムニーでも履けるジオランダーのMTタイヤといえばG003というわけです。

嬉しいのは豊富なサイズ設定。純正と同じ175/80R16から、カスタムサイズの大定番185/85R16、ノーマル車高で履けるぎりぎりの195R16もラインナップ。履くには注意が必要ですが、205R16や215/70R16、225/70R16、6.50R16といったサイズも設定あり。

G003が登場したのは2017年で、前モデルのジオランダーM/T+よりもさらにオンロードの静粛性と快適性を向上。耐摩耗性、耐久性もアップした今どきのMTタイヤとなっています。ロードノイズに関してはオールテレーン(AT)に迫る静かさで、乗り味はコツコツと硬めながら不快なほどではなく、許容範囲でしょう。

トレッドパターンもカッコいいですが、トレッドからつながるショルダーブロック、そしてサイドブロックも立体的で目立ちます。真横から見てもオフロードタイヤ感がたっぷりなのが嬉しいですね。ホワイトレターの設定はありませんが、むしろその硬派なところが良いというファンも多いです。

サイズトレッドのゴツさサイドのゴツさレタリングオンロード性能おすすめ度
・175/80R16
・185/85R16
・195R16
★★★★☆★★★★★ブラックレター★★★★☆★★★★★

②ダートレースでの使用を想定した本格派「オープンカントリーMT-R」

TOYO TIRES OPEN COUNTRY M/T-R
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オープンカントリーシリーズが生まれたのは1983年。その後2000年代からは北米市場に投入されて大ヒット。再び国内で生産・販売されるようになったのは2016年からです。日本で生まれ、北米でシェアを獲得し、逆輸入のような形で日本に凱旋となったわけです。

オープンカントリーには「オープンカントリーM/T」という定番のMTモデルが存在しますが、「オープンカントリーMT-R」はその派生バージョン。オフロードレースでの使用を想定し、専用のトレッドパターンを採用したオープンカントリー最強のモデルになっています。ちなみに、もともとMT-Rは2000年代にダカールラリーなどに供給されていたラリーレイド向けの銘柄だったりします。

そんなオープンカントリーMT-Rですが、ジムニー向けサイズは195R16の一択です(※といっても他には285/70R17しかない全2サイズ展開。それぞれ異なる専用パターン採用)。外径は728ミリ。純正比で42ミリ大きく、これを装着するだけで21ミリ車高が上がる計算です。そしてタイヤ総幅は表記以上の200ミリ。これはノーマル車高、ノーマルフェンダーで履けるぎりぎりのサイズになっています。

オープンカントリーといえば「オープンカントリーR/T」という超人気モデルもありますが、そちらに195R16のラインナップはなく、ジムニー向けは185/85R16になります。それよりもやや大きくてワイド、かつ硬派なブラックレターというのもオープンカントリーMT-Rのウリでしょう。

ただ、完全にオフロード特化のタイヤですから、オープンカントリーM/TやオープンカントリーR/Tに比べると静粛性や快適性は落ちます。それを承知でスペシャルなMTタイヤを履きたい! という人向けになります。

サイズトレッドのゴツさサイドのゴツさレタリングオンロード性能おすすめ度
・195R16★★★★☆★★★☆☆ブラックレター★★★☆☆★★★★☆

③高い走破性能でガチのジムニーファンから愛される「グラントレックMT2」

DUNLOP GRANDTREK MT2
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グラントレックはダンロップが展開するSUV向けタイヤシリーズ。中でも「グラントレックMT2」は悪路走破性を追求したモデルになっており、実際にオフロードコースを走るようなガチ派のジムニーユーザーたちに絶大な人気を誇ります。

登場以来、基本設計をキープしたまま販売を続けているロングセラーモデルでもあります。オフロードタイヤはそれほどマメにモデルチェンジしたりはしませんが、グラントレックMT2はおそらくここ15年ほどは変わってないと思われます。

一番の特徴は大型のブロックパターン。ミゾが深く広く確保されているため、排土性が非常に高く、泥だらけのコースを走っても目詰まりしにくいのが強みです。普段の街乗りでその恩恵を感じられることはないでしょうが、いかにも「ブロックタイヤ」というゴツゴツしたルックスはインパクト大です。

グラントレックMT2には「ワイド」と「ナロー」の2タイプがあり、今回紹介する195R16はナロータイプになります。ナローの方がよりトレッドパターンが粗く、ワイルドな雰囲気。舗装路の走行性能を考えるなら接地面積を広く取れるワイドのようが良さげですが、ワイドタイプだと一番小さなサイズでも225/75R16(外径750ミリ)。リフトアップやはみ出し対策が必須となります。

DUNLOP公式サイトより

見た目はいかにもゴツゴツで硬そうなのですが、実際はむしろ柔らかめ。乾燥した路面にもしっかり食いつき、乗り味も悪くないです。ですがその分、摩耗も早い。高速道路をガンガン使って遠出する用途にはあまり向きません。ロードノイズも走行スピードが上がるほど大きくなります。

サイドウォールは比較的大人しめながら、レコード状の凹凸を配した昔ながらのデザインは、他のMTタイヤにはないポイント。岩場などでタイヤをカットしないための造形ですが、クラシカルムードを出したい人にはピッタリかもです。

サイズトレッドのゴツさサイドのゴツさレタリングオンロード性能おすすめ度
・195R16★★★★★★★★☆☆ブラックレター★★☆☆☆★★★☆☆

④ジムニー純正採用タイヤと同シリーズ。隙のない「デューラーM/T674」

BRIDGESTONE DUELER M/T674
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ブリヂストンのデューラーといえば、JB64Wジムニー&JB74Wジムニーシエラの純正タイヤにも採用されています(デューラーH/T684Ⅱ)。国内のタイヤではトップシェアを誇るブリヂストンの4WD/SUV専用ブランドですね。

この「デューラーM/T674」が発売されたのは2013年。オフロードでのトラクションやハンドリング性能を追求しつつ、舗装路での乗り心地や静粛性に配慮したMTタイヤとしてデビューしました。以来、先代のJB23Wジムニーで多くのファンを獲得。その流れでJB64Wジムニーでも選ぶユーザーも多いです。

トレッドはMTタイヤの王道的パターンで、これぞマッテレといった雰囲気。路面の接地圧が均一になるように計算されており、偏摩耗しにくいのが特徴です。コンパウンドは柔らかめなので、普通のタイヤよりは摩耗しやすいですが、均一に減ってくれるので比較的長持ちします。

ショルダーにも3Dバットレスというブロック状の造形を配すことで、起伏の大きな悪路でもトラクションを稼げる設計。オンロードでは機能しませんが、見た目のゴツゴツ感を高めてくれます。

ジムニーが普通に履けるサイズは185/85R16のみ。定番サイズですが、安心感があります。なお、その上は225/75R16なので、もし履くならリフトアップとはみ出し対策が必要です。ちょっと残念なのが、185/85R16のみブラックレターという点。他のサイズはアウトラインホワイトレターなのですけどね。ロゴ全体が白いレイズドホワイトレターではなく、フチだけ白いアウトラインホワイトレターはけっこうポイントが高いので、185/85R16でもぜひ採用していただきたいところです。

サイズトレッドのゴツさサイドのゴツさレタリングオンロード性能おすすめ度
・185/85R16★★★★☆★★★★☆ブラックレター★★★★☆★★★★☆

⑤アグレッシブなサイドウォールがとにかくカッコいい「ワイルドピークM/T01」

FALKEN WILDPEAK M/T01
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アメリカ市場で販売され、現地のSUVやピックアップトラックから幅広い支持を獲得したファルケンのワイルドピーク。「ワイルドピークM/T01」は、JLラングラー・ルビコンの純正装着タイヤとしても採用されています。日本で販売が始まったのは2019年から。このワイルドピークM/T01に加えて、ワイルドピークA/T3Wの2本柱で展開中。後者はRAV4オフロードパッケージの純正装着タイヤにも採用されました。

ワイルドピークM/T01のジムニー向けサイズは185/85R16のみ。登場したのは2021年ですが、早くもジムニーユーザーの間で話題になり、徐々に装着率が高まってきています。

見た目はブロックが大きすぎない今どきのMTタイヤといった印象。悪路をガンガン走れるタフな走破性能を誇りながら、舗装路でも比較的静かで乗り心地が良いと評判です。MTタイヤにありがちなコーナリング時の腰砕け感も少なく、ATタイヤに近いテイストで走れるのがポイント。それなりにロードノイズもあるものの、MTタイヤとしては静かな部類でしょう。

ホワイトレターの設定はありませんが、その代わりにサイドウォールのデザインが目を引きます。互い違いにえぐり具合の異なるショルダーブロックからつながるように、サイドにも段付きの立体ブロックを投入。それも同形状を並べるのではなく、台形→逆台形→台形…と交互に配置されています。

それが美しくもアグレッシブで、とにかくカッコいい。真横から見たルックスは、今回紹介したMTタイヤでも個人的に1番かなと思います。比較的新しい商品ということで、他のモデルに比べると見かける機会もそこまで多くはありません。他とは違いを出したい人にもおすすめです。

サイズトレッドのゴツさサイドのゴツさレタリングオンロード性能おすすめ度
・185/85R16★★★★☆★★★★★ブラックレター★★★★☆★★★★★