2019年9月以降のジムニーは、後部突入防止装置の法改正でリフトアップが車検不可に!?

2021年9月以降のジムニーは、リアバンパーの高さが車検に大きく関わってきます。 エクステリア
こんな人におすすめの記事です
  • 車検に引っかからない範囲でリフトアップしたい
  • 改正された後部突入防止装置の法規について知りたい
  • 今後リアバンパーを交換予定or考えている

2019年から「後部突入防止装置」についての新しい基準の適用が始まっています。これはジムニーカスタムとも深く関係する法規で、以前のジムニーなら普通に車検に通っていたカスタムも、今はNGになってしまう可能性があるんです。ご存知の方もいれば、ナニソレ、今初めて聞いたんだけど? という人もいるでしょう。なるべく分かりやすく解説していきます。

法改正で「後部突入防止装置」の基準が一気に厳しくなった

想像するのも嫌な話ですが、あなたのジムニーがオカマを掘られたとします。その時、相手のクルマはジムニーの下に潜り込むような形になり、キャビン部分が押し潰されてしまいました……。

……そうした事例を防ぐため、潜り込まれやすそうな車高の高いクルマには「後部突入防止装置」が必要だよ、という法規が以前からありました。

ジムニーの場合、リアバンパー、もしくはリアのフレーム(リアクロスメンバー)が後部突入防止装置に当たります。ですが、リフトアップをしてそれらの位置が基準よりも高くなってしまうと、後部突入防止装置とは認められなくなる。その場合、なにか別の後部突入防止装置を追加しないと違反になるんです。ちなみに、よく大型トラックがテールランプ下あたりに付けている横バーみたいなパーツ。ああいうのが追加の後部突入防止装置です。

今回の話は「後部突入防止装置と認められる高さ」の基準が厳しくなったというもの。その新基準が適用されるのは2021年9月1日以降に生産されたジムニー&シエラで、それ以前のジムニー&シエラには旧基準が適用されます。1型(2018年〜2021年10月19日)はほぼ旧基準、2型(2021年10月20日〜)からは新基準という感じですね。これからジムニー&シエラを新車で購入する人は、新基準を前提にカスタムプランを練る必要があります。

で、その厳しくなった新基準ってどんなモノなのか? そもそも旧基準ではどうだったのか? 超カンタンにまとめると以下になります。

後部突入防止装置についての旧基準
(2021年8月31日以前の生産車)
  • 地面からリアバンパー下縁までの高さが550ミリ以下であること
  • 地面からリアフレーム下縁までの高さが700ミリ以下であること
    ※上記のどちらかを満たせばOK
後部突入防止装置についての新基準
(2021年9月1日以降の生産車)
  • 地面からリアバンパー下縁までの高さが550ミリ以下であること
  • 地面からリアフレーム下縁までの高さが600ミリ以下であること
    ※上記のどちらかを満たせばOK

旧基準、新基準ともに「地面からリアバンパー下縁まで」「地面からリアフレーム下縁まで」の2つの項目がありますが、どっちか片方をクリアできたらOK。それは後部突入防止装置として認められるよ、バッチリ法規が守られているね、ということになります。

その法改正が、つまり……どういうことだってばよ?

旧基準と新基準の違いは、地面〜リアフレームまでの高さです。旧基準が700ミリ以下なのに対し、新基準は600ミリ以下と100ミリも厳しくなっています。これが何を意味するのでしょうか? 具体的な数値を交えて説明していきます。

旧基準の頃は、10センチくらいリフトアップしても、後部突入防止装置の法規にはまったく引っ掛かりませんでした。ノーマル車は地面〜リアフレーム下縁までの高さが約560ミリ(多少の計測誤差や個体差アリ)なので、たとえ10センチ上げても約660ミリと、700ミリ以下に収まっていたんです。マックスでは約14センチアップまでセーフです。

ですが新基準は600ミリ以下。リフトアップできる余地はわずか約4センチしかありません。4センチなんて、ちょい上げのスプリングを組んで185/85R16タイヤを履かせたらカンタンに超えてしまいます。ですが思い出して下さい。地面〜リアフレームがアウトだとしても、地面〜リアバンパーが550ミリ以下ならセーフなのです。

30ミリのリフトアップキット+185/85R16タイヤの装着例。リアバンパーが純正なので新基準でもまったく問題なし

ノーマル車は地面〜リアバンパー下縁までの高さは420ミリくらいです。つまり約13センチアップまでセーフということ。こっちの方が断然、余裕ありますよね。

新基準の場合、「地面〜リアフレーム下縁が600ミリ以下」をクリアするのはかなり厳しい。なので、そっちはぶっちゃけ忘れちゃって大丈夫です。「地面〜リアバンパー下縁が550ミリ以下」のクリアを目指しましょう。

これだけは覚えておこう

2021年9月以降に生産されたジムニー&シエラは、地面からリアバンパー(下縁)までの高さを、550ミリ以下にすべし!

純正リアバンパーの高さを測る時は、ナンバープレート下の出っ張っているところではなく、テールランプ下あたりの下縁から計測を。

結論:リフトアップよりリアバンパーのショート化の方がシビア

新基準でも13センチほどリフトアップの余地あり。ですが、それはあくまで純正のリアバンパーでの話です。地面〜リアフレームと違い、地面〜リアバンパーの高さはリアバンパーの丈サイズが大きく影響してきます。

例えば車高を10センチ上げても純正リアバンパーならセーフです。一方、車高は5センチ上げ+社外ショートリアバンパー(丈サイズは純正比マイナス9センチ)を組み合わせたら多分アウトになります。

社外のショートリアバンパーは、比較的大人しいタイプでも3〜4センチは薄くなりますし、中には10センチ近くショート化される商品もあります。パイプバー型のリアバンパーだと、おそらく純正比で13〜14センチくらい丈が短くなる。装着したいのであれば、後付けの後部突入防止装置がほぼ必須になるでしょう。

ということで、車高を上げたい! タイヤを大きくしたい! そして外装もイジりたい! といったカスタム派にとっては、やっぱり新基準は厳しいです。2021年9月以降のジムニーは、リアバンパーを交換する際には、商品の丈サイズと愛車の車高を正確に調べて、よ〜く検討しましょう。とりあえず現状のリアバンパーにメジャーを当てて計測してみるとイメージをつかみやすいですよ。

まとめ
  • 2021年9月以降のジムニー&シエラは要注意
  • リフトアップ+ショートリアバンパー化はNGリスクが高まる
  • リアバンパーの高さは550ミリ以下を厳守せよ