4型のJB64Wジムニー&JB74Wジムニーシエラからは、「リヤパーキングセンサー」が標準装備となりました。センサーはリアバンパーに固定されているため、社外品などに交換すると一緒に外れ、システムエラーが発生してしまいます。そこでセンサー自体を純正バンパーから社外バンパーに移設できる専用キット「パーキングセンサー移設カバー」をオフロードサービス タニグチが開発しました。
そもそも、なぜ4型にパーキングセンサーが標準装備となったのか?
2024年、JB64Wジムニー&JB74Wジムニーシエラは3度目の一部仕様変更を受け、4月11日より4型へと移行。それ機に「リヤパーキングセンサー」が全グレードに標準装備となりました。リアバンパーのテールランプ下あたりに、左右2ヶ所ずつ、計4ヶ所に超音波センサーにビルトインされております。
今どきパーキングセンサーは珍しくありませんが、なぜこのタイミングでジムニー&シエラに導入されたのでしょうか。軽くそこからおさらいしておきましょう。
2021年6月、新しい保安基準「後退時車両直後装置の義務化」が施行されました。平たくいうとバックセンサー(パーキングセンサー)、またはバックカメラを装備して下さいよ、そうじゃないと車検に通りませんよ、ということです。そしてその新基準は新型車なら2022年5月から、継続生産車は2024年11月から適用となります。
ジムニー&シエラは後者にあたり、まもなく11月から適用されるため、それを見越してパーキングセンサーを標準装備してきたわけです。
なので基本的にパーキングセンサーを外すと車検に通らなくなっちゃうわけですが、バックカメラが付いていればOK(規定の後方視界を確保していることが条件)です。じゃあ純正オプションのバックアイカメラか社外のバックカメラを後付けしたら、リアバンパーを社外品に交換してパーキングセンサー外してもいいよね、となりそうですが、そう簡単には行きません。
なぜなら純正パーキングセンサーを取り外すとシステムエラーが起こるからです。かといって外さずに束ねてどこかに隠しておいてもエラーになります。警告灯が点いてブザーが鳴るのはイヤですし、エラーが出るとおそらく車検は厳しいでしょう。それにせっかく便利なセンサーなのですから、そのまま生かしたいところです。
ちなみにこの新基準の適用は2024年11月から。4型であっても10月までの登録であれば新基準は適用されません。
しっかりと実用性を考えて開発された「パーキングセンサー移設カバー」
ということで、お待たせしました。オフロードサービス タニグチの「パーキングセンサー移設カバー」です。今さらいうまでもありませんが、タニグチといえば1982年創業、老舗の中の老舗。SJ30時代からジムニーユーザーのカスタムをサポートしてきた、ジムニーひと筋の専門店です。
商品をざっくり説明すると、パーキングセンサーがぴったり収まるボックス状の樹脂アイテムと表現したらいいでしょうか。純正リアバンパーからベゼルごとセンサーを外し、商品に移植。それを社外バンパーに固定するという装着方法になっています。
機能も見た目も実によく考えて作られており、単にプラスチックの板にセンサーが付くようにしてある、といった安易なモノではありません。タニグチのパーキングセンサー移設カバーは、以下の特徴を備えています。
●ポイント1:センサー位置や角度は純正に準じた実用的な設計
順番にチェックしていきましょう。もともと4型の純正リアバンパーに固定されたパーキングセンサーは、外側の2つをやや斜めに向けています。真後ろだけでなく、斜め後方の障害物も感知できるようにしているためです。タニグチのパーキングセンサー移設カバーも、それを忠実に再現しています。
内側のセンサーは正面向き(真後ろ)。そして外側のセンサーはやや外向きになるような角度でカバーが作り込まれているのが分かります。センサー同士の間隔もある程度離し、純正とほぼ同等に。
●ポイント2:泥除けカバーや水抜き穴を装備。センサーの不具合を防ぐ
また位置的に水や泥はねの影響を受けやすいことを考慮し、センサー裏側にはふたを被せる設計。念のため下側には小さな水抜き穴も設けてあるので、中に水が溜まってしまうこともありません。
●ポイント3:未塗装でも使用できるマットブラックのウレタン樹脂製
素材はウレタン樹脂製。色はブラック。純正グリルやバンパーとよく似たマットな質感なので、そのまま使っても違和感なくボディに馴染みます。塗装する手間がないのは嬉しいところ。
もちろん塗装してもOK。装着するリアバンパーとカラーリングを揃えてみるのもいいでしょう。
●ポイント4:タニグチのダブルリアバンパーにボルトオン装着可。他社製品にも付けられる
バンパーへの固定方法は付属のボルトと両面テープにて。タニグチのダブルリアバンパーなら、あらかじめこの移設カバー対応の穴が開けられているので、それを使って簡単に固定できます。
そして固定する穴さけ開けられれば、スチール製だろうがFRP製だろうが他社のリアバンパーに装着することもできます。取り付けにあたり、外側センサーと内側センサーをつなぐ部分はカットOK。分離してそれぞれ固定しても問題ありません。もちろん、センサー同士の間隔や角度などは、正しく動作する位置に装着する必要があります。
●ポイント5:リフトアップした車両でセンサー動作確認済み
タニグチでは「2インチリフトアップ」&「タニグチのダブルリアバンパー装着」のデモカーで、パーキングセンサーの動作を確認済み。新基準「後退時車両直後装置」の規定には、センサーが機能する範囲(距離/高さ/幅)もけっこう細かく定められています。
それに則り、規定の範囲で正常に動作することを確認しています。車検うんぬんの実例はまだこれからになりますが、少なくともセンサー機能についてダメ出しされることはないでしょう。
将来的に車検クリアを目指すための注意点と商品の入荷状況
最後にタニグチのパーキングセンサー移設カバーを活用する上での注意点を少々。
第1に、パーキングセンサー移設カバーは基本的には汎用アイテムです。タニグチのダブルリアバンパーに装着して動作確認は取れているものの、それ以外の社外バンパーに装着した場合、正しく機能するという保証はありません。バンパー形状や取り付け方によってはセンサーの反応範囲がずれ、規定の範囲で動作しなくなる可能性もあります。装着前には、まず仮付けしてセンサー動作確認を行うなど、丁寧に位置決めをするべきでしょう。
第2に、これで「後退時車両直後装置」の規定をクリアできても、「後部突入防止装置」の規定をクリアできないと車検には通りません。社外バンパーはほとんどが純正よりも薄型です。特にスチールパイプタイプのバンパーに換えた場合、高確率で後部突入防止装置が必要になってきます。そちらの対応もお忘れなく。
それとこのパーキングセンサー移設カバー、2024年9月に発売されたばかりですが、初出荷分はあっという前に売り切れてしまい、今(2024年9月25日現在)はバックオーダー受付中といった状態です。が、10月には第2弾の製造分が出荷される予定とのこと。興味のある方はオフロードサービスタニグチの公式サイトをチェックしてみましょう!