リフトアップしている皆さん、直前直左、気になりますよね。車検の時、果たして愛車は通るのか? とりあえずドラレコが付いてるから、これで何とかならんかな〜という人もいらっしゃるでしょう。そこで「ドラレコで直前直左対策をして、車検に通ったか? あるいは通らなかったか?」という実例をプロショップに聞いてみました。
本当にドラレコが直前直左対策になる? → 今のところ大丈夫です
その前に、直前直左の法規について軽くおさらいします。まず前提として「直前」と「直左」は分けて考えて下さい。そして今回は「直前」がテーマになります。「直左」の方も知りたいという方は、こちらの記事で軽く解説していますのでどうぞ。
車検では直径30センチ×高さ1メートルのテスターを使います。これをフロントバンパーに密着させるように置き、運転席から少しでも(テスターの上端だけでも)視認できればOK。テスターがまったく見えないとNG、というのが基本ルールです。
車高を上げるとアイポイントも上がります。すると遠くまで見晴らしが良くなる一方で、手前側は見えにくくなります。灯台下暗しというやつですね。ジムニーの場合、2インチ(約5センチ)リフトアップし、それなりに大きめのタイヤを履かせると、直径30センチ×高さ1メートルのテスターはボンネットに隠れてほぼ目視できなくなります。
しかし、肉眼で見えなければNGというわけではありません。例えばフロントカメラには映っていて、それをドライバーがモニターで視認できたらOK。その理屈で、ドラレコのモニターに映っていてもOKということに(今のところ)なっています。
ドライバーの視点よりもドラレコの視点の方が高いですよね。なのでリフトアップしてもテスターを視認しやすいのです。とはいえ、余裕で見えているわけではありません。フロントガラスに装着する以上、ボンネットに視界が遮られるので、たいていはギリギリです。
一方でフロントグリルやフロントバンパーに装着するフロントカメラであれば、前を遮る障害物はありませんし、そもそもの位置も低い。どれだけ車高が上がってもテスターが見えなくなることはないでしょう。
実際にドラレコを装着して車検に通った例、ダメだった例を公開
じゃあどこまでならドラレコで行けるの? というのが気になるところ。今回はジムニーのカスタムを扱っているショップさん数店舗にリサーチ。「ドラレコで車検OKだった例」と「ドラレコで車検NGだった例」をそれぞれ聞いてみました。
プロショップであれば、地元の検査協会or陸運支局でイケる/イケないは感覚的に把握されているのでしょう。どこに聞いてもNG例が出てこなかったため、「お客さんor知り合いがユーザー車検で引っかかったケース」を話してもらいました。
※OK例にもユーザー車検のケースが含まれています
また本当はドラレコの種類も知りたかったのですが、残念ながら確かなデータは残っておらず…。今後機会があればまたリサーチしてみたいと思います。
さてこの結果を見るに、ボーダーラインは合計90ミリアップあたりでしょうか。3インチ+185/85R16で通った例もあれば、2インチ+6.50R16でダメだった例もあり。どちらも計算上の合計リフトアップ量は90ミリちょいです。
ギリギリを攻めるのはおすすめしないので、ドラレコで直前直左をクリアしたいなら、合計80ミリアップ以下、できれば75ミリアップまでに抑えたいところですね。具体的には2インチアップ+そこそこの大きさのタイヤ(外径が720ミリ〜740ミリあたり)であれば、OKの可能性は高そうです。
3インチアップの場合、その時点で約76ミリ車高が上がっているわけですから、ドラレコで直前直左をクリアするには、純正と同サイズのタイヤじゃないとNGリスクが高まります。185/85R16で通った例があるとはいえ、それをアテにするには怖い。3インチアップ以上はドラレコではなく、フロントカメラで対策した方が良いと思われます。
ドラレコのタイプや取り付け方も気を付けた方が良さそうです
ショップの方々にドラレコの選び方や装着のポイントなども聞いてみました。ただ、この辺も地域差があるように感じました。これを守れば絶対大丈夫というものではなく、場合によってはNGなこともあるので、あくまで参考程度にして下さいね。
とにかく取り付け位置はできる限り上側に。レンズ位置も上側にあるタイプがベター。左右の位置は情報が錯綜しており、なんともいえないのですが、直前直左対策なら運転席側(センサーカメラ横)に付けておいた方がいいかもです。
それとこれは直前直左に限らない車検あるあるなのですが、OK/NGは地域や検査官によってけっこう変わります。たとえまったく同じカスタムをしたジムニーでも、A県の検査場ではすんなりOK、一方でB県ではダメだった、なんてことも普通にあります。判断するのは機械ではなく検査官。人がやることですから、どうしてもバラツキは出てしまいます。
そんな時、頼りになるのは地元のショップさん。車検に慣れているので、現地の検査官に近いジャッジをしてくれるはず。あるいは直接、管轄の検査協会or陸運支局に問い合わせ、自分の仕様で車検に通るのか聞いてみるのもアリです。