タイヤと並んでジムニーカスタムのキーポイントとなるのがホイール。純正のアルミホイールも決して悪くはないけど、どうせなら違うデザインにしたい。でもどんなのがいいのかなぁ…と迷っている人にはぜひ、鉄チン風ホイールを選んでいただきたい。
「鉄チン」っていったい何ですか?
鉄チン、鉄ちん、てっちん、テッチンなど、表記はいろいろ。スチール製のホイールは、古くからこう呼ばれていました。今どきのクルマはアルミホイール標準装備も珍しくありませんが、昔はほぼスチール製しかなかった。純正ホイール=鉄チンだったんです。
そして鉄チンといえば、上の写真のように丸穴を開けられ、中ほどをモコッと膨らませたデザインでお馴染みでした。どのクルマのどのサイズも、不思議と見た目はほぼ一緒。鋼板をプレス&溶接して素早く作るため、自然と似たような雰囲気になってしまうのでしょう。
ゆえに昔は、鉄チンはみんな同じで安っぽくてダサい、アルミホイールを履きたい! という図式になっていたのですが、純正でもアルミが普通になった昨今、逆に鉄チンっぽいデザインがいい感じに見えてくるという逆転現象が発生。ちょうどJB64Wジムニー/JB74Wジムニーシエラが登場した頃から、そんな風潮が強まってきたように思います。実際、ジムニーに履かせると似合うんですよ、これが。
ジムニーの純正鉄チンもあるけど、ちょっと雰囲気が違う
ところで、JB64Wジムニーにも純正で鉄チンの設定がありますよね。最上級グレードのXCはアルミホイールですが、XLとXGはスチールホイール=鉄チンです。だけどご覧の通り、前述した定番的な鉄チンとはちょっとジャンルが違うような。これはこれでいい感じの力強い5本スポークモデルなんですけども。う〜む。
ジムニーはかなり昔(JA系時代)から、この純正鉄チンのデザインを使い続けてきました。古参ファンの中には愛着がある方もいらっしゃるでしょう。
ちなみにJB74Wジムニーシエラの純正ホイールはJCがアルミ、JLがスチールで、こっちの鉄チンは定番のデザインです。どうでしょう? インセットの関係でリムが深く取れていることもありますが、個人的には64用より74用の純正鉄チンの方がいい感じに見えます。
見た目は鉄チン、中身はアルミ。それが新定番
さて、ここからが本題。上のJB74Wジムニーシエラからも推察できるように、JB64Wジムニーにはこのタイプの鉄チンが似合うんです。でもJB74Wジムニーシエラ純正の鉄チンはサイズが違う(履けなくはないですが初心者にはおすすめできません)。そこで鉄チン風ホイールの出番です。
鉄チンではなく鉄チン風。つまり素材はスチールではなくアルミ。デザインは古き良き鉄チンをリスペクトしつつ、現代の技術で作られた軽量なアルミホイール。そんな鉄チン風ホイールが、今や各メーカーから数多くリリースされています。
穴の数や形、ディスク形状など、商品によってルックスはまちまちですが、いずれも「鉄チン風のツボ」はしっかり押さえられています。アルミホイールは造形の自由度が高いので、同じ鉄チン風といっても、細かなデザインの違いでオリジナリティを出せるんです。
そしてどんな鉄チン風ホイールも、不思議なくらいジムニーに似合う。タフなクロカン系にも、ミリタリー系にも、レトロ可愛い系にも、スタイルを問わず履かせられるのが最大のメリットです。サイズさえ間違わなきゃ大丈夫といえるほど。
興味のある方は、「ジムニー 鉄チン風 ホイール」あたりで検索してみましょう!
往年の「ディフェンダー鉄チン風」がカッコイイ!
ラストにイチオシの鉄チン風ホイールをご紹介します。
KLC Heritageから発売されている「MAGNIFIQUE(マニフィック)」というモデルです。王道の丸穴ではなく、スリット状のホールを採用しているのですが、丸く隆起させたディスクや細かく段を付けたリムは、まさしく鉄チン風。実はこのデザイン、昔のランドローバー・ディフェンダーが純正採用していたスチールホイールをモチーフにしているんです。日本の鉄チン風じゃなく、海外の鉄チン風っていうのがまたいいじゃないですか。
丸穴タイプよりもさらにシンプルで、クラシカルな雰囲気。ナナメから見ると「彫りの深さ」も味わえます。そしてデコボコしたオフロードタイヤとの相性バッチリ。ぜひともセットで交換したいところです。サイズはJB64Wジムニー純正と同じ16インチ×5.5J インセット+22で、カラーはマットブラックとオフホワイトの2色展開となっています。